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需要期の賃料は横ばい

2008年6月6日

三大都市圏の都心部は、堅調なオフィス需要を背景に地価が
上昇。郊外部の地価はマンション販売の不調等により横ばい
または下落傾向。地方圏の主要都市では上昇傾向が鈍化。

これは国土交通省「地価LOOKレポート(平成20年1月1日
から4月1日)」の概括(5月29日発表)。高度利用地等の
先行的な地価動向を明らかにして主要都市の地価動向を
見極めるための調査であり、不動産鑑定士88名が住宅系
32地区、商業系68地区の情報収集と鑑定評価を行って
いる。

このレポートによると、地価は横ばいや下落、上昇率の
鈍化が目立つ一方、賃貸住宅(主に賃貸マンション)の
賃料はおおむね横ばいで安定している。

とはいえ、需要期なのに賃料が上昇していない点、
賃貸住宅経営の見通しも予断を許さないといえそうだ。

--以下、住宅系地区の賃貸住宅の動向(抜粋)---

<北海道札幌市中央区宮ノ森>
 賃貸マンションは供給過剰気味で空室率の上昇が
 見られるが、依然として賃料は概ね横ばいで推移。

<宮城県仙台市青葉区錦町>
 一昨年からの賃貸マンション大量供給に伴う在庫が
 解消されず、賃料は引き続き若干の下落傾向。

<埼玉県さいたま市中央区新都心>
 賃貸マンションの供給は多いが、需要も強いため、
 賃料は横ばい状態。

<千葉県千葉市中央区千葉港>
 京葉線沿線で旧公団公社のマンションや分譲マンション
 の供給が多く、これらとの競合のため賃料は概ね横ばい。

<千葉県浦安市新浦安>
 賃貸需要は旺盛で、賃料設定が適切な物件は高い
 稼働率を維持。賃料は概ね横ばいで推移している。

<東京都中央区佃、月島>
 供給過剰の状況にあり、隣接地区でも賃貸マンションが
 供給されている。賃料は概ね横ばいだが空室率の上昇
 が見られる。

<東京都港区高輪>
 築年の新しい物件が増加し、競合が激化しているが、
 賃料は概ね横ばいで推移している。

<東京都港区芝浦>
 建築中の超高層賃貸住宅の募集賃料は、賃貸中の
 類似物件とほぼ同水準。賃料は概ね横ばいで推移。

<東京都品川区品川>
 優良賃貸マンションの成約は堅調で空室率が改善。
 しかし供給が多く、新規賃料の上昇は見られず横ばい。

<東京都江東区豊洲>
 大量供給により空室の残るマンションも見られるが、
 賃料は高水準を維持したまま横ばいで推移している。

<東京都武蔵野市吉祥寺>
 単身者を含め賃貸需要は強いが、賃貸物件の供給も
 十分にあるため、賃料は概ね横ばいで推移している。

<東京都立川市立川>
 立川駅周辺で勤務する若年従業員を中心に賃貸需要が
 強く、例年に比べ盛況だったが、マンション賃料は横ばい。

<神奈川県横浜市都筑区都筑区センター南>
 若年ファミリー層の賃貸需要が強く、センター南駅
 徒歩圏内のマンションでは、賃料はやや上昇傾向。

<神奈川県横浜市青葉区美しが丘>
 新築マンションの賃料は横ばい、中古マンションの
 賃料は弱含み傾向が続いている。

<神奈川県川崎市中原区元住吉>
 所得の伸びが見込めないため、賃料は概ね横ばい。

<神奈川県川崎市麻生区新百合ヶ丘>
 駅に近接するマンションの賃貸需要は根強く、
 賃料は概ね横ばいで推移している。

<愛知県名古屋市東区大曽根>
 家族向け賃貸マンションは供給が少なく、分譲済み
 マンションを賃貸化する物件も見られる。賃料は横ばい。

<愛知県名古屋市千種区覚王山>
 新築物件の賃料は安定して横ばい。既存物件の賃料は
 やや上昇傾向にある。

<愛知県名古屋市昭和区御器所>
 居住用物件の賃料は横ばい。

<滋賀県草津市南草津駅周辺>
 駅西口の賃貸物件の供給が継続しているが、相応の
 需要も見られ、マンション賃料は若干の上昇傾向。

<京都府京都市中央区二条>
 賃料は安定的に横ばいで推移しているが、敷引きへの
 批判等から実質収入は低下基調となる可能性がある。

<京都府京都市左京区下鴨>
 単身者や若年夫婦からの賃貸需要が高く、賃料は
 概ね横ばいで推移している。

<京都府京都市西京区桂>
 賃料は安定的に横ばいで推移しているが、敷引きへの
 批判等から実質収入は低下基調となる可能性がある。

<大阪府大阪市福島区福島>
 賃料は硬直しており横ばい傾向。

<大阪府大阪市天王寺区天王寺>
 供給は多く、ハイグレードで高家賃の物件もあるが、
 引き合いは少ない。全体として賃料は概ね横ばい。

<大阪府豊中市豊中>
 賃貸物件が出れば需要はすぐあるという状況が
 続いているが、賃料は概ね横ばいで推移している。

<大阪府吹田市江坂周辺>
 新築の賃貸マンションの供給が続いており、新規物件
 の賃料は横ばいだが、中古物件の賃料は弱含み。

<兵庫県神戸市東灘区岡本>
 前期とほぼ同程度の賃料水準ながら、空室率の増加
 により賃料は緩やかな下落局面に入った。

<兵庫県西宮市甲子園口>
 賃貸マンションの供給が豊富で、新築だけでなく中古
 の需要も底堅く、賃料は概ね横ばいで推移している。

<兵庫県芦屋市JR芦屋駅周辺>
 富裕層向け大規模住宅が主で、内装や設備の個性化を
 図っており、相場を形成していないが、賃料は概ね横ばい。

<広島県広島市中区白島>
 分譲マンションの供給増加や賃貸物件の老朽化等を
 反映して、賃料は下落傾向で推移している。

<福岡県福岡市中央区大濠>
 賃料の上昇はなく、横ばいで推移している。

「地価LOOKレポート」はこちら
http://tochi.mlit.go.jp/tocchi/pdf/20080529a.pdf

この調査結果は4か月ごとに発表されるため、興味の
ある方は次のページ(土地総合情報ライブラリー)を
「お気に入り」に登録することをお勧めします。
http://tochi.mlit.go.jp/chika/index.html#look

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