【国土交通省】戸開走行保護装置等の積極的な設置促進について
この度、国土交通省より、戸開走行保護装置等の積極的な設置促進について案内がありましたので、会員の皆さまにお知らせいたします。
【国土交通省からの案内】
１．戸開走行保護装置の積極的な設置促進について
これまでも、昇降機の適切な維持管理に関する指針等に関する説明会やエレベーターの安全対策に関するリーフレット等において、既設エレベーターへの戸開走行保護装置の設置をお願
いしているところですが、改めて、以下の点に留意しつつ設置促進に取り組んでいただくようお願いします。
（１）戸開走行保護装置の設置について
戸開走行保護装置が未設置のエレベーターの所有者等におかれましては、戸開走行事故の重大性や対策の必要性を御理解いただき、速やかに戸開走行保護装置の設置に向けた検討を進めていただくようお願いします。
特に、巻上機や制御盤といった主要機器の取替えを伴う大規模な改修を行う場合には、積極的な御検討をお願いします。
（２）補助制度の活用について
国土交通省では、既設エレベーターの戸開走行保護装置の設置等を促進するため、社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金（住宅・建築物安全ストック形成事業）並びに地域防災拠点建築物整備緊急促進事業による財政支援を行っています。
民間の事業者がこれらの制度を活用するためには、地方公共団体において補助制度が整備されている必要がありますので、地方公共団体における補助制度の整備状況を御確認いただき、積極的に本制度を御活用いただくようお願いします。
２．やむを得ない事情により、戸開走行保護装置を当面設置することが難しい場合の措置について
戸開走行保護装置が設置されていない既設のエレベーターについては、対応する戸開走行保護装置の開発が遅れている、生産・施工体制の問題で実際の施工までに時間がかかる、計画修繕のタイミングまでに時間がかかる等のやむを得ない事情により、戸開走行保護装置を当面設置することが難しい場合があると認識しています。
こういった場合においては、戸開走行保護装置を設置するまでの措置として、以下の装置の設置有無を確認いただき、設置されていない場合には、これらの装置の設置を御検討いただくようお願いします。
・ブレーキの引きずりを防止する装置（ブレーキスイッチ）
・ブレーキの引きずりを検知する装置（温度ヒューズ又は温度センサー）
これらの装置については、戸開走行保護装置が求める機能の一部を満たすものであることから、１．（２）の補助対象とすることが可能です。
なお、これらの装置は、ブレーキの引きずりによるブレーキライニングの摩耗を原因とする戸開走行事故の防止には一定の効果がありますが、運転制御回路の異常等を原因とする戸開走行は防ぐことができず、戸開走行事故への対策としては十分とはいえません。
したがって、ブレーキスイッチ等を設置するのはあくまで戸開走行保護装置を当面設置することが難しい事情がある場合に限るとともに、ブレーキスイッチ等を設置した場合であっても、引き続き戸開走
行保護装置の早期の設置を御検討いただくようお願いします。
【参考】
○大阪府豊中市内エレベーター事故調査報告書、兵庫県神戸市内エレベーター事故調査報告書（R４.５.17公表）
○東京都中央区内エレベーター事故調査報告書、京都府京都市内エレベーター事故調査報告書（R４.12.23公表）
掲載先：https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000055.html
○報道発表「エレベーターへの戸開走行保護装置の設置率は32％」（R５.１.10公表）
掲載先：https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000952.html
以 上
