高齢者の住宅と生活環境意識調査
住宅などの資産を子孫に残したいと考える高齢者は、平成
13年には65.5%だったが、17年は55%に減少。
一方、自分の老後を豊かにするために売却や賃貸をしたい
と考える人は32.2%から41.8%に増加した。
これは内閣府が取りまとめた「高齢者の住宅と生活環境に
関する意識調査」の結果。昨年12月8日から今年1月9
日まで全国の60歳以上の男女に調査を行い、1886件
の回答を得た。
調査結果の概要は次のとおり。
1)現在の住宅
現在の住宅に「何も問題点はない」との回答は56.4%。
「住まいが古くなり痛んでいる」が15.8%。「構造(段
差や階段など)が高齢者には使いにくい」10.8%。
2)過去5年以内のリフォーム
「リフォームしていない」60.3%。「塗装・防水などの
外壁補修を行った」10.8%。「瓦のふきかえなど屋根を
修理した」10.8%。リフォームを行った人の満足度は
高く、「満足」41.1%、「まあ満足」52%。
3)資産の使い方
「住宅などの資産を子孫に残した方がよい」と考える
人は55%。「自分の老後を豊かにするために売却や
賃貸にしたい」と考える人は41.8%。現在の所在
別に見ると、都市の規模が小さくなるほど「子孫に残
す」との考えが強くなる。
大都市:「子孫」46.1%、「自分の老後」51.8%
中都市:「子孫」49.0%、「自分の老後」47.1%
小都市:「子孫」59.7%、「自分の老後」36.3%
町村 :「子孫」68.2%、「自分の老後」30.0%
4)住宅・住環境の優先度
資金等の問題を考慮せずに新しい住宅へ住み替える場合に
重視するポイントは「手すりがある、段差がない等、高齢
者向けに設計されていること」37.2%。「駅や商店に
近く、移動や買い物に便利」31.2%。「医療や介護サー
ビスを受けやすいこと」30%。
5)虚弱化したときの居住形態
自分の身体が虚弱化したときの住まいについては、「現在
の住居を改造せずそのまま巣みたい」37.9%。「現在
の住宅を改造して住みやすくする」24.9%。「介護の
付いた特別養護老人ホーム等に入居する」17.9%。
6)将来の子供との同居
「同居したい」41.1%。「分からない」25.6%。
「別居したい」24%。
7)自宅内での転倒事故
この1年間に自宅内で転倒したことのある人は1割越。
特に85歳以上では4人に1人の割合。転倒したこと
のある人については、男性は2人に1人、女性は3人
に2人が打撲等のケガを負っている。
8)外出の状況
「ほとんど毎日外出する」59.7%。「ときどき外出
する」32.9%。「ほとんど外出しない」7.3%。
外出手段は「徒歩」が57.7%。「自分で運転する
自動車」38.9%。「自転車」30.2%。
「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」はこちら
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h17_sougou/index.html