【施行日:令和3年6月中旬】
賃貸住宅における良好な居住環境の確保を図るとともに、不良業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図るため、賃貸住宅管理業者の登録制度を創設
A.管理業務を遂行するために必要な財産的基礎を保有していない場合(10項)
登録の申請の日を含む事業年度の前事業年度における財産及び損益の状況が良好ではなく、負債の合計額が資産の合計額を超え、支払不能に陥っている状態を意味します。
B.業務管理者を確実に選任すると認められない者である場合(11項)
「業務管理者を確実に選任すると認められない者」とは、登録を受けようとする者の営業所又は事務所の数に足りるだけの要件を備える業務管理者を確認できない場合等を意味します。
※業務管理者は管理業務の管理及び監督をする責任があり、各営業所若しくは事務所に1名以上配置する必要がある。
他の営業所・事務所との兼任は不可。
①登録証明事業による証明を受けた者(施行日から1年以内に国土交通大臣が指定する講習(移行講習)を修了した者は①とみなす)
②宅地建物取引士で、国土交通大臣が指定する管理業務の実務講習(指定講習)を修了した者
〇営業所又は事務所においてその従業員が行う管理業務等の質を担保するために必要な指導及び監督等をし得るだけの数の業務管理者を配置することが望ましいと言われています。
〇業務管理者が管理・監督すべき事項(第12条第1項)は、第13条の規定による管理受託契約における重要事項説明書の説明及び書面の交付に関する事項、第 14条の規定による管理受託契約書の書面交付に関する事項、賃貸住宅の維持保全の実施に関する事項等です。
※業務管理者移行講習(https://www.chintaikanrishi.jp/about/course_g/)
※管理受託契約締結前の重要事項説明については、賃貸人が契約内容を十分に理解した上で契約を締結することができるよう、説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましい。
〇ガイドラインでは、「賃貸不動産経営管理士」が重要事項説明をすることが望ましいと記載されています。
〇管理受託契約の際に重要事項説明を行う必要がない者とは、賃貸住宅管理業者、特定転貸業者、宅地建物取引業者等です。
〇管理受託契約締結前の重要事項説明では、管理業務の内容及び実施方法、報酬並びにその支払の時期及び方法、管理業務の内容及び実施方法の賃貸住宅の入居者に対する周知に関する事項、管理受託契約の更新及び解除に関する事項を説明する必要があります(第13条第1項)。
※賃貸住宅管理業者の固有財産の口座と管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭の口座を分別した上で、管理受託契約ごとの金銭を区別した帳簿を作成すること等により分別管理を行う(電磁的記録による作成も可能)。
※委託者への報告を行うときは、管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに、及び管理受託契約の期間の満了後、遅滞なく、管理業務の実施状況等を記載した管理業務報告書を作成し、これを委託者に交付して説明しなければならない。
※報告事項の内容は、管理業務の実施状況、管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況及び対応状況等とされ、そのほかの事項についても、賃貸人の求めに応じて報告することが望ましい。
※賃貸住宅管理業者は、賃貸人の承諾を得て、管理業務報告書に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができ、この場合は、管理業務報告書のデータを適切に保存することが望ましい。
【施行日:令和2年12月15日】
〇トラブルを未然に防止するため、全てのサブリース業者の勧誘時や契約締結時に一定の規制を導入
〇サブリース業者と組んでサブリースによる賃貸住宅経営の勧誘を行う者(勧誘者)にも、勧誘の適正化のため規制の対象とする
○違反者に対しては、業務停止命令や罰金等の措置により、実効性を担保
サブリース業者・勧誘者による特定賃貸借契約(マスターリース契約)の条件について広告するとき、以下の事項について著しく事実に相違する表示、実際よりも著しく優良である等誤認させる表示を禁止
広告において「家賃保証」「空室保証」など、一定家賃を支払う約束する旨等の表示を行う場合、当該文言の隣接箇所に家賃見直しがある場合にはその旨及び借地借家法第32条の規定により減額されることを明記しましょう。
体験談を用いる広告は、体験談と異なる賃貸住宅経営の実績となっている事例が一定数存在する場合等には、「個人の感想です。経営実績を保証するものではありません」といった打消し表示が明瞭に記載されていたとしても問題のある表示となる恐れがあるため、注意しましょう。
○複数支店で事業を行っている場合は支店や営業所などが独自で作るリーフレットも対象になるため、支店等の広告にも注意するよう徹底してください。
○誇大広告の罰則の対象は、サブリース事業者だけではなく、勧誘者も該当します。親会社や建築会社など勧誘者が誇大広告でオーナーに誤認等を与えた場合は、勧誘者への罰則に加え、サブリ―ス事業者も同じく罰則を受けます。
〇今一度、自社・グループ会社内、提携先企業等のサブリ―ス広告の内容等を確認し、省令・ガイドラインに合わせて、誇大広告に該当しないかを確認しましょう。
サブリース業者・勧誘者による特定賃貸借契約(マスターリース契約)勧誘時に、家賃の減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項について故意に事実を告げず、又は不実を告げる行為の禁止
●サブリース業者がオーナーに支払う家賃の額等の賃貸の条件やその変更に関する事項
●サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全の内容及び実施方法
●契約期間に発生する維持保全、長期修繕等の費用負担に関する事項
●契約の更新又は解除に関する事項等
●当該事項を告げない、又は事実と違うことを告げることで、相手方等の不利益に直結するもの
○勧誘者の例示には、賃貸住宅オーナーも含まれます。例えば、紹介料を支払うキャンペーンなどを行い、既存オーナーが新たなオーナーに当該事業者との契約を勧める際、不実告知等をした場合は規制の対象に入ってしまいます。
○不当な勧誘行為への罰則の対象は、サブリース事業者だけではなく、勧誘者も該当します。親会社や建築会社などの勧誘者が不 当な勧誘行為を行った場合は、勧誘者への罰則に加え、サブリ―ス事業者も同じく罰則を受けます。
〇今一度、自社・グループ会社・サブリースの勧誘に携わる関係者に向け、省令・ガイドラインに合わせた正しい勧誘の仕方を徹底しましょう。
法律上の定めはないが(自社従業員ではあれば誰でも重説可)、オーナーになろうとする者が十分に理解できるよう、一定の実務経験を有する者や賃貸不動産経営管理士など専門的な知識及び経験を有する者によって説明が行われることが望ましい。
重要事項の説明から特定賃貸借契約締結までに1週間程度の十分な期間を置くことが望ましい。期間を短くせざるを得ない場合には、事前に重要事項説明書等を送付し、説明を実施するなどして、契約まで十分な時間を取ることが望ましい。
○書面の内容を十分に読むべき旨を太枠の中に太字波下線で、12ポイント以上の大きさで記載すること。
○上記の次に、借地借家法第32条、借地借家法第28条の適用を含めたマスターリース契約を締結する上でのリスク事項を記載すること。
○書面には8ポイント以上の大きさの文字と数字を用いること。
○オーナーに対する家賃記載の次に、当該額が減額される場合があること、及び借地借家法第32条の概要を記載すること。
○契約期間の記載の次に、借地借家法第28条の概要を記載すること。
〇グループ内の親会社・子会社・関連会社・建築会社などの勧誘者が重要事項説明を行うことはできません。
必ずサブリ―ス事業者自身が重要事項説明を行う必要があります。
①居室及び居室の使用と密接な関係にある住宅のその他の部分である、玄関・通路・階段等の共用部分、居室内外の電気設備・水道設備、エレベーター等の設備等について、点検・清掃等の維持 を行い、これら点検等の結果を踏まえた必要な修繕を一貫して行うこと
②賃貸人(所有者)のために賃貸住宅の維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理
ただし、(1)の業務と併せて行うものに限る。
<管理業務に該当しない例>●定期清掃業者、リフォーム工事業者等が、維持又は修繕の「いずれか一方のみ」を行う場合
●エレベーターの保守点検・修繕を行う事業者等が、賃貸住宅の「部分のみ」について維持から修繕までを一貫して行う場合
●入居者からの苦情対応のみを行い維持及び修繕(維持・修繕業者への発注等を含む。)を行っていない場合
特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者
<該当例>●特定転貸事業者から委託を受けて勧誘を行う者
●明示的に勧誘を委託されてはいないが、特定転貸事業者から勧誘を行うよう依頼をされている者
●勧誘を任されている者
※既存の賃貸住宅オーナーが勧誘者に該当する場合とは?
賃貸住宅のオーナーが賃貸住宅のオーナーとなろうとする者に対し、自己の物件についてマスターリース契約を結んでいるサブリース業者等特定のサブリース業者から、勧誘の対価として紹介料等の金銭を受け取り、当該サブリース業者とマスターリース契約を結ぶことを勧めたり、当該マスターリース契約の内容や条件等を説明したりする場合などを指します。
<広告媒体>
新聞、雑誌、テレビ、インターネット等種類を問わない